なぞのばしょで
色違いアルセウスを乱数調整する
- ID調整 -
ここからは前のページで説明した内容を既知であると
して話を進めていきますので、登場する用語の詳細など
に関しては、本サイトの「1. 乱数調整の基礎」を参考
にしてみてください。
色違いのポケモンを乱数調整によって入手する場合、
「ID調整」を事前に行うことがほとんどです。ここで
いうIDとは、トレーナーカードに記載されている5桁の
数字(表ID)に加え、ゲーム上では表示されない5桁の
ID(裏ID)を合わせたものを指します。ID調整をすること
で、高個体値かつ色違いといったポケモンを入手する
ことが可能となります。今回は、以下のポケモンが
色違いとなるIDに調整することにします。
表ID: 17171
裏ID: 09045
性格: いじっぱり
個体値: 31-31-31-17-31-31
性格値: a777c735
※ 性格値とはポケモンの個体ごとに存在する
隠しパラメータであり、そのポケモンが改造産
でないことの証明にもなります。
上の条件を満たせば、実はアルセウスに限らずすべての
ポケモンが色違いで出現します。
それではID調整の方法について説明していきます。
なお、セーブデータが残っている場合はソフトを初期化
する必要があります。
今回用いる初期seedは、以下のものになります。
初期seed: 0x600418c3
・月 × 日 + 分 + 秒: 0x60 = 16×6 + 1×0
= 96
または、96 + 256 = 352
・時: 0x04 = 16×0 + 1×4 = 4
・経過フレーム + 年 - 2000:
0x18c3
= 4096×1 + 256×8 + 16×12 + 1×3
= 6339
よって、年 = 2039として、
経過フレーム = 6339 + 2000 - 2039
= 6300[F]
と求まるので、6300 ÷ 60 = 105[秒]。これに空白時間
の4[秒]、時間設定後の待機時間である10[秒]を加えて、
時間設定から「つづきからはじめる」を押すまでの時間
は119[秒]となるので、秒 = 119 - 60 = 59となります。
(「秒」は、0 ~ 59の値しかとらないことに注意してくだ
さい。60秒の経過は秒針の1周を意味するので、DSの
内部時計は0秒にリセットされます。)
これより、月 = 6、日 = 5、分 = 7と求まります。
(結果)
2039年 6月5日 4時6分 00秒
に時間を設定
2039年 6月5日 4時6分 10秒
にソフト選択
(ストップウォッチ起動)
2039年 6月5日 4時6分 14秒
にゲーム起動(自動)
(ストップウォッチ: 4秒)
2039年 6月5日 4時7分 59秒
に以下の画面でAボタンを押す
(ストップウォッチ: 109秒 = 1分49秒)
※ 待機時間が1分を超えるので、時間設定する際に
「分」に注意してください。
ID調整では「つづきからはじめる」がない代わりに、
以下の画面が「つづきからはじめる」に該当します。
したがって、ストップウォッチが109秒になるまでに
主人公の名前などを決め、以下の画面で待機する必要が
あります。
初期seedを決定し終えたら、早速トレーナーカードで
自分のIDを確認してみましょう。目標の初期seedからの
ずれは以下のリストを参考にしてください。
奇数ずれを起こしているかどうかは、自分が引いた
初期seedの1の位の偶奇で判断することができます。
目標の初期seedは1の位が3ですので、1の位が偶数
だった場合は奇数ずれを起こしていることになります。
(例)
1の位がa
→ aは10進数で10(偶数)なので奇数ずれ
1の位がd
→ dは10進数で13(奇数)なので奇数ずれではない
初期seedずれの対処法について
以下は応用編になります。
上のやり方は空白時間を4秒と仮定したものですので、
正確とは言い難いです。そこで、もし目標の初期seed
から大幅にずれていた場合は、年数を調整することで
解決することができます。例えば、目標の初期seedより
20個下の初期seedである 0x600418d7 を引いた場合を
考えましょう。この初期seedにおいて、
経過フレーム + 年 - 2000
= 4096×1 + 256×8 + 16×13 + 1×7
= 6359
となるので、年 = 2039だと、経過フレーム = 6320[F]
ということになります。これは、目標の初期seedの経過
フレームである6300[F]より20[F]大きい値となって
おり、20[F]だけ余分に待機していたことを意味します。
そこで、上の計算式に年 = 2059を代入すると、
経過フレーム = 6359 - 59 = 6300[F]
となり、ボタンを押すタイミングを変えることなく目標
の初期seedを引くことができます。
以上の結果から、
目標の初期seedから上にx個ずれた場合
→ 年 = 2039 - x
目標の初期seedから下にx個ずれた場合
→ 年 = 2039 + x
とすればよいことがわかります。ただし、DS Liteの
「年」は2000年から2099年までしか設定することが
できないので、上の方法で解決できない場合には、
改めて空白時間を測りなおす必要があります。
以上で、ID調整編は終わりです。ID調整は待機時間が
長い上に、許される誤差が僅か2[F] = 1/30[秒]未満
ですので、根気よくやることが大切です。