2. ID調整

ここからは前のページで説明した内容を既知であると

して話を進めていきますので、登場する用語の詳細など

に関しては、本サイトの「1. 乱数調整の基礎」を参考

にしてみてください。

色違いのポケモンを乱数調整によって入手する場合、

「ID調整」を事前に行うことがほとんどです。ここで

いうIDとは、トレーナーカードに記載されている5桁の

数字(表ID)に加え、ゲーム上では表示されない5桁の

ID(裏ID)を合わせたものを指します。ID調整をすること

で、高個体値かつ色違いといったポケモンを入手する

ことが可能となります。今回は、以下のポケモンが

色違いとなるIDに調整することにします。

表ID: 17171
裏ID: 09045
性格: いじっぱり
個体値: 31-31-31-17-31-31
性格値: a777c735

 ※ 性格値とはポケモンの個体ごとに存在する

   隠しパラメータであり、そのポケモンが改造産

   でないことの証明にもなります。

上の条件を満たせば、実はアルセウスに限らずすべての

ポケモンが色違いで出現します。

それではID調整の方法について説明していきます。

なお、セーブデータが残っている場合はソフトを初期化

する必要があります。

今回用いる初期seedは、以下のものになります。

初期seed: 0x600418c3

・月 × 日 + 分 + 秒: 0x60 = 16×6 + 1×0
             = 96
    または、96 + 256 = 352

・時: 0x04 = 16×0 + 1×4 = 4

・経過フレーム + 年 - 2000:
 0x18c3
  = 4096×1 + 256×8 + 16×12 + 1×3
  = 6339

よって、年 = 2039として、

経過フレーム = 6339 + 2000 - 2039
       = 6300[F]

と求まるので、6300 ÷ 60 = 105[秒]。これに空白時間

の4[秒]、時間設定後の待機時間である10[秒]を加えて、

時間設定から「つづきからはじめる」を押すまでの時間

は119[秒]となるので、秒 = 119 - 60 = 59となります。

(「秒」は、0 ~ 59の値しかとらないことに注意してくだ

さい。60秒の経過は秒針の1周を意味するので、DSの

内部時計は0秒にリセットされます。)

これより、月 = 6、日 = 5、分 = 7と求まります。

(結果)
 2039年 6月5日 4時6分 00秒
        に時間を設定

 2039年 6月5日 4時6分 10秒
        にソフト選択
  (ストップウォッチ起動)

 2039年 6月5日 4時6分 14秒
     にゲーム起動(自動)
  (ストップウォッチ: 4秒)

 2039年 6月5日 4時7分 59秒
  に以下の画面でAボタンを押す
  (ストップウォッチ: 109秒 = 1分49秒)

※ 待機時間が1分を超えるので、時間設定する際に

  「分」に注意してください。

ID調整では「つづきからはじめる」がない代わりに、

以下の画面が「つづきからはじめる」に該当します。

したがって、ストップウォッチが109秒になるまでに

主人公の名前などを決め、以下の画面で待機する必要が

あります。

待機画面

初期seedを決定し終えたら、早速トレーナーカードで

自分のIDを確認してみましょう。目標の初期seedからの

ずれは以下のリストを参考にしてください。

List1
List2
List3
List4
List5
List6
List7
List8
List9

奇数ずれを起こしているかどうかは、自分が引いた

初期seedの1の位の偶奇で判断することができます。

目標の初期seedは1の位が3ですので、1の位が偶数

だった場合は奇数ずれを起こしていることになります。

 (例)

 1の位がa

  → aは10進数で10(偶数)なので奇数ずれ

 1の位がd

  → dは10進数で13(奇数)なので奇数ずれではない


初期seedずれの対処法について

以下は応用編になります。

上のやり方は空白時間を4秒と仮定したものですので、

正確とは言い難いです。そこで、もし目標の初期seed

から大幅にずれていた場合は、年数を調整することで

解決することができます。例えば、目標の初期seedより

20個下の初期seedである 0x600418d7 を引いた場合を

考えましょう。この初期seedにおいて、

経過フレーム + 年 - 2000

 = 4096×1 + 256×8 + 16×13 + 1×7

 = 6359

となるので、年 = 2039だと、経過フレーム = 6320[F]

ということになります。これは、目標の初期seedの経過

フレームである6300[F]より20[F]大きい値となって

おり、20[F]だけ余分に待機していたことを意味します。

そこで、上の計算式に年 = 2059を代入すると、

経過フレーム = 6359 - 59 = 6300[F]

となり、ボタンを押すタイミングを変えることなく目標

の初期seedを引くことができます。

以上の結果から、

目標の初期seedから上にx個ずれた場合
 → 年 = 2039 - x
目標の初期seedから下にx個ずれた場合
 → 年 = 2039 + x

とすればよいことがわかります。ただし、DS Liteの

「年」は2000年から2099年までしか設定することが

できないので、上の方法で解決できない場合には、

改めて空白時間を測りなおす必要があります。

以上で、ID調整編は終わりです。ID調整は待機時間が

長い上に、許される誤差が僅か2[F] = 1/30[秒]未満

ですので、根気よくやることが大切です。